読み書き

読んだものについての覚書

2018-01-01から1年間の記事一覧

『映画とは何か 上・下』(岩波文庫/アンドレ・バザン〈著〉/野崎歓、大原宜久、谷本道昭〈訳〉)

「映画とは何か」と問う。それは、「映画が映画である為に必然の条件とは何か」という問いだろう。つまり、映画の存在論。そしてその論述は、具体的には映画と映画ならざるものとの相似と差異についての議論を通して、それをあきらかにしていくことになる。…

『考える短歌 作る手ほどき、読む技術』(新潮新書/俵万智)

「短歌」と言えば、五七五七七の三十一文字で綴る詩歌、というくらいのことしか知らない。日常に使う言葉をたんに語呂合わせしてもその形にはなるから、それが詩歌になるためには歌われるべき何かが必要だということになる。その何かをこの本では「心」と呼…